百貨店さんへ支払う 掛け率
は
そうそう、場所代だからな。家賃として一般管理費に計上すればいいか。
まてよ。
商品の仕入に係る付随費用か?それなら売上原価に算入するか!
F1ファンの皆さん、こんにちは。
掛け率の不思議に筆を止めた皆さまも、こんにちは。
まずはじめに、掛け率とは何か その言葉の意味をはっきりさせておきましょう。
掛け率 :百貨店に入っているテナントがお客様に対して上げた売上の、テナント側の取り分を示す割合のこと
【例】 掛け率60% 小売価格10,000円のバッグ
ご来店されたスーツがお似合いのお客様がお買上 べつに服装にこだわりはない
→ テナント取り分 6,000円 / 百貨店取り分 4,000円
これ
もう少し広義の 『掛け率』とは微妙~に異なり
卸売業者 が 小売業者 から仕入を行う際の、上代と下代の差額(マージン)
は確かに、飽くまで、「率」である
つまり 「%」であるのに対して
百貨店ビジネスで使う時の 掛け率 は
「額」であることもある。
こんなこと無いでしょうか?! 私の経験した数社のブランドだけですか?
いや 実際、相当数 「額」として掛率 という言葉を使用している会社もあるのではないでしょうか。
なぜなら
掛け率 は 仕入(売上原価)でもなければ 家賃でもない
という 百貨店ビジネス独特の概念であるからして なのです。
百貨店のテナントの多くは 外資の会社なので 社長や上司は外国人であることが多いです。
でその外国人ボスに掛け率を説明しようとしても 掛け率でしかないのです。
私が経験したいくつかの百貨店取引のある会社の会計では、百貨店に支払う掛け率を控除した後の売上を売上高に計上していたのですね。
なので
決算書だけを見た場合 掛け率はどこにも登場しません。
小売価格で計算された売上から 既に掛け率が控除された後の金額が テナントの会社の会計システムには計上されますから。
これって、総額主義の会計からみて違和感がありませんか?
私が初めてそういった会社で勤務した時、勤めはじめの頃、かなり頭を捻ったことを覚えています。
「総額主義の原則」とは、費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならないとする原則である。
企業会計原則 第二.一.B
そしてなぜか この疑問
なぜかWeb検索に引っ掛からない!
百貨店取引のある会社の経理担当者人口はそんなに少ないのか?
それとも 簡単な問題過ぎて誰も疑問に思う人がいないのか?
いやいや待て待て、ツルカメより絶対難しい問題だと思うけど…。
答え は単純明快なところにありました。
あなたの勤めているその会社 そのブランド そのショップ
小売業
だと思っていませんか?
いえいえ、卸売業 ですよ!
百貨店との取引については です。
つまり、テナントにとっての売り先はお客様である最終消費者ではなく
百貨店である。
というのが答えです。つまり百貨店ビジネスを営むテナントを運営する会社は小売業ではなく、卸売業という位置付けです。
これ、直営店も併せて経営しているブランドだと、ごっちゃになったりしませんか? 直営店は当然、小売業ですから。
それでもって テナントを出させてもらっている百貨店の店舗でも 自社の正社員が、販売からお会計まで担当しており もちろん給料も勤めている会社が支払っていると尚更
小売業を営んでいる感覚が強まってしまいます。 私だけ?
多くのブランドにとって、お客様とはあなたであり、最終消費者です。
それに間違いはなく 百貨店はこれまでほぼ全てのテナントと 消化仕入契約をしていました。
変わろうとしているようですが。
消化仕入 :多くの場合に個人となる最終消費者に販売がなされた瞬間に、売上と仕入が同時に計上される取引のこと。別名、売上仕入。
商品がお客様に売れた瞬間に 百貨店では仕入が計上され、テナントの売上も認識されます。
なので
あなたの勤務している会社がテナント側であるとすると
総額主義もなにも 小売価格で個人のお客様に販売された商品売上は
その瞬間、 卸売価格で百貨店に対して売上が立つ ということになります。
あなたの会社 → 百貨店 こちらの売上こそ あなたの会社にとって総額の売上高 なのですね。
則ち お店の出店形態によってブランドでは業種が変わり、売上高に計上する金額も変わる、ということです。
まあ
言ってしまえばごく当然のことで、キツネにつままれた感覚もありますが、、この掛け率。
なにが怖いって
率
と、いっておきながら、額としてもまかり通っているのです。 もう一度言いますが。
この話
話せば話すほど ややこしくなってこんがらがる のがわかっているので
余計なことまで 書いています。 フフ。
まとめ
百貨店のテナントを運営する会社は 卸売業 の会社となる。

テナントの会社にとって、お客様は百貨店だからね!
テナントを運営する会社で 掛け率控除後の売上を計上しても 総額主義に反しない。

百貨店への 卸売価格 こそ、テナントの純粋な売上だから!
そんなことでも思い巡らせながら 落ち着いて 静かで難解なワインでも飲みましょうか。
ル・オー・メドック・ド・ラグランジュ 2013

10年熟成の格付けシャトーで2千円台というのがピカピカの魅力(ワインショップソムリエの地下で2023年4月購入)。2012年~といった若い購入畑のぶどうを使用しているため、10年熟成がとても飲み頃に感じた。シャトー・ラグランジュはサントリーがボルドーで運営している名門のため、サントリーカップワインからエントリーし、1stのラグランジュまで昇り詰めるのが、シンプルで不可思議な疑問の沼にハマり思い巡ってしまう人のモヤモヤ解消になる。
なんかこの手の すごい浅そうなのにこんがらがってしまう系の疑問 の答えは いつもごくシンプルな気がする・・・!